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「節税」について ~本当にお得ですか?~

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証券などの金融系や不動産の営業マンがよく使うトークに「これだけの節税効果があります」というものがあります。確かに税金は減らせるものなら減らしたいと誰もが思いますよね。では、これらの商品は一般のサラリーマンにどの程度の節税効果があるのでしょうか。ふるさと納税、つみたてNISA、iDeCo(確定拠出型年金)、不動産投資について、それぞれ実際の節税効果を冷静に見ていきましょう。

ふるさと納税

節税効果のあるお得な制度だと認識している方もいらっしゃいますが、実際にはふるさと納税で節税はできません。ふるさと納税は実質的には居住地以外の自治体への寄附であり、寄附金額から2000円を引いた額が控除分として戻ってくるという仕組みです。ただし寄附先の自治体から返礼品がもらえるので、返礼品の価値が2000円以上であればお得というだけのことです(つまり「2000円で返礼品が買える仕組みであって節税効果はない」という認識でほぼ正解です)。

つみたてNISA

20年間運用益の全額が非課税になる仕組みなので、一般口座・特定口座で同じ商品を運用するのと比較すると良い節税になります。ですがもともと投資をする予定がなかった人が「つみたてNISAを使って節税!」と言っているのも最近聞きます。
当然ですが元々払う必要のなかった税金が非課税になっても節税にはなりません。
本来はいい仕組みだと思うんですが・・・

iDeCo/確定拠出年金

拠出時に掛金の所得控除、運用中利益非課税に加え、受取時に退職所得控除が受けられます。ようやくマトモなのが出てきました笑。これは節税というか減税効果があると言ってもいいでしょう。

ただし、
1.所得控除は税の繰り延べに過ぎないので、受け取り時の控除とセットで初めて減税になっていること
2.iDeCoの中身は金融商品になっており、投資商品を買うのであれば(当然ですが)本質的には投資を行っているということ
3.無リスクに近い商品(預貯金・保険)も手数料で僅かに元本割れしているケースが多々あること
は最低限理解しておきましょう。

不動産投資

「サラリーマンが不動産投資をすると税金が安くなる」という主張は本当によく聞きます。これは購入した不動産を減価償却することによって帳簿上の赤字を出し、給与所得と通算して総合所得を下げましょうという話になります。細かい数字は割愛しますが、例えば都内築浅2500万円のSRC造(マンション)の物件だとすると減価償却費は年間約60万円程度になります。この分を課税所得から減らせるため、額面年収600万とすると年間15万円弱の節税になります。これが不動産を新たに所有することによるコストを上回っていれば節税ができることになります。

では不動産を所有することで新たにかかってくる税金は何があるかというと、
一年目のみ:不動産取得税、登録免許税、印紙税
毎年かかる:固定資産税、都市計画税
があります。

節税できた分と通算すると、ざっくりで初年度は数十万の赤字、2年目以降はほぼトントンか少しマイナスぐらいでしょうか。
あれ?節税できるって話は・・・

結論

以上見てきたように、節税目的で金融商品等を購入することは無意味だったり効果が限定的なケースがほとんどです。このような話をすると、多くの人は「金融リテラシーをつけないと!もっと勉強しないと!」と考えます。しかし問題の本質は本当に知識の不足なのでしょうか?

アメリカには「人生には3人の友人が必要である。それは医者、弁護士、ファイナンシャルプランナーである」という言葉があります。浅い営業トークを妄信せず信頼できるプロを見極めることと、自分の頭で考える習慣を身につけて物事の本質を理解すること。この2つが最も重要なのではないでしょうか。


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